南部地域の振興開発計画の策定

南部地域の振興開発計画
昭和61年3月 島尻地域振興開発構想
「島尻・21世紀への発展戦略」を策定
平成元年8月 島尻地域振興開発基本計画
平成4年11月 島尻地域振興開発基本計画書「主要プロジェクト」を策定

沖縄本島南部地域内道路網整備計画(構想)図

島尻地域振興開発基本計画に提案された次の2事業の調査検討

1.【大学設置計画に関する事業】

大学設置企画財政検討委員会において組織拡大を含め、検討の結果、公設公営大学設置の資金確保が困難であることなどから今後の取組みとしては公設公営大学を念頭に置きながら国公立又は私立大学の誘致まで目標や手段の選択肢を広げて取り組むことを確認。

平成5年7月 研究学園都市構想調査検討委員会を設置
平成6年5月 大学設置基本計画検討委員会設置
平成8年5月 大学設置基本計画検討委員会から答申
平成9年8月 大学設置企画財政検討委員会を設置
平成10年11月 島尻地域振興振興開発推進協議会関係市町村長協議会を開催

2.【ヘルシーリゾート計画に関する事業】

ヘルシーリゾート計画について、今後、事業化方策調査検討委員会を設置し事業主体・管理運営主体の検討を行うとともに企業マーケッティグ調査や関係省庁への要請行 動を展開し実現に向けた取組みを図る。

平成5年7月 ヘルシーリゾート構想調査検討委員会設置
平成6年9月 ルシーリゾート基本計画検討委員会設置
平成6年11月 ヘルシーリゾート基本計画検討委員会専門部会設置
平成8年5月 ヘルシーリゾート基本計画検討委員会より画調査報告の答申
平成9年2月 ヘルシーリゾート整備基本計画書策定
平成11年9月 ヘルシーリゾート計画企画財政検討委員会報告書策定
ヘルシーリゾート計画事業計画書策定

3.【島尻地域ウエルネス開発基本計画】

島尻東部地域の四町村が平成5年度から平成13年度までの約9年間、取り組んで参りましたヘルシーリゾート計画につきましては、バブル崩壊後の厳しい経済情勢等からして、断念を余儀なくされたところであります。

しかし、ヘルシーリゾート計画が提唱した「身体の(身)の健康、精神の(心)の健康、風土の(神)の健康、」のもつ健康保養の理念は、喪失することなく、これからの高齢社会に生かして行かなければならないと考えるものであります。島振協では、こうしたことを基本理念にして、地域の持つ特性と素材を活用した観光産業への新たな展開を図ることが期待されております。

従来の沖縄観光の周遊型観光から滞在体験型観光の推進を目指すものであり、特に、自然環境や農業との触れ合い、地域の人たちと交流を通して心身を癒し、生きる活力を取り戻すことを目的とするプログラムに需要が集まりつつあり、「沖縄ウエルネスツアー」を始め、寒冷な気候の都道府県との交流や中高年齢者向けの健康食ツアー等が商品化され、冬場の観光需要を喚起する新しい観光形態として注目されております。

4.【島尻地域国営土地改良推進協議会】

国営土地改良事業「島尻地区」は、那覇浄化センターから放流されている、処理水を島尻地区の農業用水として利用し、安全な作物として安定供給と水資源のリサイクルに貢献できる目的から、内閣府沖縄総合事務局土地改良総合事務所において事業化に向けた調査が進められてきた。

島尻地域振興開発推進協議会では、沖縄総合事務局土地改良総合事務所において、平成12年度より調査中の島尻地域の畑地 かんがい用水の水源開発の可能性と事業構想を策定する「地域整備方向検討調査」への支援協力。また、具体的な国営土地改良事業計画を策定する「地区調査(平成17年度~19年度)」へ移行に向け、関係市町村・団体等と連携して支援協力を行っていくため、(糸満市、豊見城市、東風平町、具志頭村、玉城村、知念村、佐敷町、大里村 、南風原町)の9市町村の区域を対象とする島尻地域における国営かんがい排水事業を中心とした農業生産基盤整備の総合的な推進母体としての、島尻地域国営土地改良事業推進協議会を平成14年2月22日設立。

事務局を島尻地域振興開発推進協議会に置き、事業の円滑な推進を図り、もって島尻地域の農業振興を図ることを目的として、協議会の事務を処理を行い、島尻地域国営土地改良事業推進協議会幹事会(営農部会、技術部会、広報部会、環境部会)を設置し、地元受益者への事業内容の啓蒙及び地域関係者への協力要請や意見聴取及び調整、必要な事項の調査、土地改良法手続きに必要な同意者確保、関係団体との相互連携、営農推進、畑地かんがい用水、畑地かんがいの広報などを行ってきた。

本推進協議会は、沖縄総合事務局土地改良総合事務所における島尻地域の畑地かんがい用水の水源開発と、事業構想を策定する「地域整備方向検討調査」(平成12年度~平成16年度)への支援協力を行い、平成17年度から具体的な国営土地改良事業計画を策定する「地区調査(平成17年度~平成21年度)」へ関係市町と連携し同調査への協力を行った。平成20年度においては、受益農家への意向調査の実施に重点を置くとともに、同事業に対する課題等、事業導入について長期的視点で関係市町と検討を行い、又、関係首長会議のなかで今後の方針について議論してきた。

事業構想の内容と事業導入において、提起された方針は次のとおりである。

事業構想

那覇浄化センターの放流水を島尻地区の農業用水として利用するための処理プラントを建設し、この処理された水を農業用水が不足している地域に供給することにより、農業用水の安定確保と農業生産高の向上が図られる。

施設計画 国営事業:再生水製造プラント、揚水機場、ファームポンド、用水路(管路)関連事業:末端畑かん施設整備 他(国営かんがい排水事業と県営かんがい排水事業などの関連事業の組み合わせにより機能する。)

事業の課題

  1. 本地区はジャーガル土が多く、さとうきび作中心のため意向調査において、事業に参加したい農家は全体で20%であり同意率が低い。維持管理費10アール当たり年2万円(国は、1万7千円まで低減出来るように取り組んでいる。)が、本島南部の1万3千円に比べて高い。
  2. 国営事業は事業費に対して農家負担はないが、関連事業(県営かんがい排水事業、畑地帯総合土地改良事業等)は農家負担がある。関連事業で農家負担の関係から、水源は整備しても末端整備が進まない状況が懸念される。

  3. 国営事業は沖縄振興特別措置法(H14~H23)の適用を受けるが、末端整備の関連事業(県営かんがい排水事業、畑地帯総合土地改良事業)は期限切れになり新たな制度を見据えて総合的に判断すべきである。
  4. 維持管理費への「基幹水利施設管理事業」の採択要件が適合してなく、行政支援が将来継続される可能性があり、財政圧迫が予想される。
  5. 四市町にかかる広範囲な事業は、長期的なまちづくりの視点から支障をきたすおそれがある。

以上の状況を踏まえ本推進協議会は総合的な判断の結果、国が現在進めている「国営島尻地区土地改良事業」の導入は極めて厳しい状況である。との結論を経て、平成21年5月28日開催の本協議会通常総会で確認された上記の方針に沿って「国営島尻地区土地改良事業」の推進は終結して、平成22年3月31日をもって本協議会は解散することとした。

今後は、各市町村で共に検討している「今後の小規模集水ため池による水源確保の検討」のなかでの、事業開発構想を含め、農業用水の確保は、今後、各市町で進めていくこととした。